引用元:
http://www.watakennet.com/present/advice.php?sid=9209
1.最も重要な考え方。
ー渡邊健太郎氏セミナー 「体験価値の作り方」ー
商品の「使用価値」ではなく「体験価値」を売る。 例えばメガネ。使用価値で売れば5,000円くらいのものが、体験価値で売れば2万円~3万円で売れるようになります。「使用価値を売る」とは、メガネを普通の視力矯正の道具として売る事を言います。一方「体験価値を売る」とは、「モテるメガネ」というコンセプトで、「かけるとかっこ良く見える」とか「仕事が出来るように見える」といったアピールで販売するなど、別の魅力を売ることを言います。女性のスタッフが、一番「かっこよく」見えるようなメガネを選んでくれるとか、顔の形にあわせてカスタムメイドしてくれるとか、そんなサービスを付けることで商品に新しい魅力を創りだすのです。そうすれば、ほとんど原価は変わらないのに、高い値段で売ることができます。また、そうすることによりライバルも少なくなります(メガネはどこでも売っていますが、モテるメガネを売っているところは他にありません)。目が悪くない人にも買ってもらえるかもしれません。
つまり体験価値とは、商品への「光の当て方」を変えることにより、普通の商品に新しい魅力を創りだすことなのです。
英語教師の例も紹介しましょう。日本人に英語を教えている教師がいましたが、競合が強くて食べていけないという状況でした。そこで彼は「英語を教える」というビジネスから「外国人に日本語を教える」という新しいビジネスにシフト。その結果、問い合わせが殺到し、大成功しました。
最後に、学習塾の例です。そこはなかなかいい講師が集まらず、生徒は大手に流れて行ってしまうという状況でした。そこでその塾を、「偏差値30~40くらいの生徒が偏差値50の平均レベルになれる塾」、として売りだしたのです。その結果、優秀な生徒ばかりが集まる「大手」でついていけない生徒たちの囲い込みに成功しました。
普通の商品を普通に売っていては、比較されて価格競争に巻き込まれ、利益がなくなるだけです。どこでも買えるような商品(使用価値)を売るのではなく、あなたからしか買えない体験価値を売るようにすれば、一気に売るのが簡単になり、利益も残るようになります。比較の簡単なインターネットの世界では、特にこの考え方が重要です。
2.商品の粗利は70%以上を確保する
ネットで商品を売る場合、商品にかかる原価は3割以下に抑えておきましょう。それ以上だと利益が残らないため、手取り収入が少なくなるだけでなく、売上を伸ばしていくための広告費や商品の改良などの投資に回す資金が十分に確保できません。「どうすれば商品を安く作れるのか?」ではなく「どうすれば粗利7割をもらいながら、お客様に喜んでもらえるのか?」つまり、どのように体験価値を創りだすのかを考えるのです。
3.独自サイトを持つ
売上を大きく伸ばしていきたいなら、楽天などのモールを「メインの手段」として使ってはいけません。なぜならモールの場合、ページのレイアウトの自由度が低い、リストが自由に使えない、反応の取れる媒体が限られる上に高い、などのデメリットがあるにもかかわらず、高い手数料を取られるからです。そのため、EC-CUBEという無料で使えるECサイト構築システムを使うなどで、独自サイトを持つ必要があります。モールへの出店は「サブ」としての利用価値はいくつかありますが、あくまで売上のメインは独自サイトで立てるべきです。それに、独自サイトでなければ、以下に掲載しているような方法が使えないなどの制約が発生し、売上を伸ばすチャンスを失ってしまいます。
集客・運営について知っておくべきこと
4.リピート戦略
リピートが命です。なぜなら最初に商品を買ってもらうことが一番大変でお金がかかるため、ほとんど利益が残らないからです。(ビジネスにおいて最もお金がかかるのは、新規顧客の獲得なのです)。大きな利益は2回目以降の購入から生まれます。なので、なくなったらまた買ってくれるような「消耗品」を販売する。もしくは、一度買ってくれたお客様が繰り返し購入してくれるような商品ラインナップを揃えることが重要です。例えば通販でお馴染みの「高枝切りバサミ」は、同じ人が何度も買うような商品ではありません。しかしあの商品を売ることの本当の目的は、「一戸建てに住んでいる、標準よりも高い所得の顧客」を獲得し、そのお客様が買いそうな商品を後で売ることなのです。
5.フォローアップの流れ
リピート購入してもらうためには、単に「次はこの商品買ってください」と売り込むばかりではなく、お客様への適切なケアとフォローアップをして信頼関係を強化することが必要です。例えば「消耗品」をeメールでフォローアップする場合の基本的で有効な流れは次のようなものです。(1)商品は届きましたか?→(2)商品の使い方の説明→(3)商品を使った人からの感想を紹介→(4)使った人はこんな実績が出ています→(5)長く使った人の方がいい結果が出ています→(6)あなたもリピートしませんか?
6.言葉の選び方
単語や言い回しをひとつ変えるだけでもページやeメールの反応率が大きく変わることがあるので、慎重に言葉を選びながら常にテストをすることが重要です。例えば商品の割引販売を行う場合、「○○%OFF」と「○○円引き」を使い分けるだけで売上に大きな差が出ます。ブランド価値の高いものや比較的高価だとイメージされているものについては、「○○%OFF」とすることで売れ行きが良くなりますが、逆にブランド等を意識しないようなものについては「○○円引き」と示し、具体的にいくらお得なのかを表記する方が売れ行きが良くなります。ページのテストには、グーグルが提供している無料の「ウェブサイト・オプティマイザ」というツールが便利です。
7.1ページにつき目的は1つ
そのページで達成したい目的が少なければ少ないほど、コンバージョン(成約率)は高まります。よっぽどの理由がない限り、1ページで達成したい目的は1つであるべきです。特に、広告などでアクセスを集めるページ(=ランディングページ)は、特定の1つの商品を販売する以外のことをしてはいけません。複数の商品を並べたり、別のページにリンクさせたり、サンプル請求はこちら、購入はこちら、と2つの目的を持たせたりしてはいけません。
8.外注を積極的に使う
全てを自分でやるべきではありません。あなたは、アイディアを練ったり計画を作るという付加価値を生む仕事に時間と労力を使うべきです。それに、下手に自社でやるよりも外注の方がうまく対応してくれることだってあります。状況に合わせて「ここはやっぱり自社でやろう」とか「在庫や社員も持ちたくないし、オフィスに一日中張り付いているのも嫌だから、全部外注に任せよう」という判断をしましょう。例えば「ECマスターズ」というサービスは、月々5万円の固定費に1件あたりたった100円の手数料で注文の受付から在庫の管理、商品の発送までをまとめて外注できます。「ビジネスアシスト東京センター」のサービスを使えば、毎月1.8万円で電話対応の外注をすることができます。
9.見込み客集めの商品サンプルを開発しない
例えば化粧水の場合、無料サンプル用に小さいボトルを作る人がいますが、やってはいけません。追加の費用がかかる上に在庫も発生するからです。もし無料サンプルを作りたければ、商品と同じボトルに量を減らして詰めればいいのです。うまくいくかどうかもわからない作戦のために、費用も手間も時間もかける必要はありませんしリスクも負うべきではありません。ただしほとんどのネットショップの場合、ある程度の規模までは見込み客を集める必要はありません。広告からは直接、商品を販売した方が効率的です。
商品、起業アイディア選びで知っておくべきこと
10.スタート時にお金をかけて商品を開発しない
ネット通販のビジネスを立ち上げたいが、商品を持っていない場合、最も簡単なのは他人の商品を売ることです。「あなたの商品、インターネットで売りませんか?売れたら連絡するので発送してください。利益はこういう形で分配しましょう」と、商品を持っている人に提案してください。その場合、以下で掲載しているポイントに注意してください。
11.6W6H
5W1Hに6つの要素を加えた6W6Hの観点で考えることが必要です。例えばそのうちのひとつは、How in the near future(その市場が近い将来どうなっているか)という観点です。短期的に見ていては、あるいは「今流行ってるから」ということだけ見ていてはいけません。
12.売れる商品を売る
売りたい商品ではなく「人間の基本的な3大欲求に応えるもの」「不安やイライラを解消するもの」「悩みを解決するもの」などの売れる商品を売ってください。「体験価値」を作る場合も、これらの要素に当てはまるようにしてください。例えば「モテるメガネ」は、人間の基本的な3大欲求の一つに応えています。また、「コンプレックスもの」や「アダルトもの」は、店頭では買いにくいため、ネット販売に向いています。
13.海外に目を向ける
ネット通販の市場やチャンスは日本国内だけではありません。海外に目を向けた場合、例えば日本のアニメのDVDの逆輸入ビジネスが考えられます。現地の言語での吹き替え版、字幕版を輸入し、それを「語学学習教材」として再生用プレイヤーと一緒に販売することができます。かなり安く仕入れられるだけでなく、日本ではあまり開発されていないマイナーな言語(ラオス語、インドネシア語など)の学習教材であれば、希少価値も高くなります。
また、D&Gやベルサーチなどの高級ブランドが、次々と日本を撤退しています。彼らは日本国内で数十億円規模の市場を作り、ファンを作ったあと、日本を捨てていきます。そのとき日本のファンはどうなるか?そのブランドの商品をどこで買えばいいのか?・・・そこにネット通販のビジネスチャンスがあります。なお日本の会社でも、例えば小さい化粧品会社で10億円規模の市場を作って撤退をしたような会社は200~300はあります。彼らにすれば「たった10億」ですが、ゼロからネット通販を立ち上げる人にとっては、小さくない市場ですよね。
無料で販促するために知っておくべきこと
14.みんながやらないこと。
マスコミを使いましょう。ほとんどの人が「敷居が高そう」「難しそう」「もう少ししてから…」などと言って、マスコミを使うことに抵抗を感じていますが、それはもったいないことです。なぜなら彼らの方も毎日必死でネタを探しているからです。TVの場合は視聴率が取れる面白い「絵」を撮りたいと思っています。雑誌の場合は、販売数が伸びるような記事ネタを欲しがっています。新聞の場合は、「いい記事をありがとう」という投書が来るようなものを書きたいと思っています。彼らの気持ちになってそういったネタを提供できれば、マスコミに取り上げてもらうことは難しいことではありません。
15.プレスリリース成功の3つの要素
マスコミに取り上げてもらうプレスリリースには、3つのポイントがあります。まず、マスコミには事実を伝える責任があるので、記事には信頼性が重要です。例えば統計データやアンケートなどの客観的数字を使うことで、信頼性を高めることができます。マクロミルという会社では、5万円~リサーチデータを集めてくれますし、プレスリリースに「マクロミル調べ」と書くことそのものが、信頼性のバックアップになります。2つ目は思わず人に話したくなるような「偶然性」。3つ目は「公共性」です。また、@PRESSというサービスを使えば、一気に最大84件のメディアにプレスリリースを掲載することができます。
16.プレスリリースはテレビ局に送らない
自社の商品をテレビで取り上げてもらうためにテレビ局にFAXを送るのは間違っています。なぜなら番組を作っているのは「制作会社」であってテレビ局ではないからです。取り上げて欲しい番組があれば、その番組の最後に流れる「エンドロール」から制作会社を調べ、その会社にプレスリリースを送ってください。